m@p Artist

薬師川千晴

Yakushigawa Chiharu

作家インタビューを掲載しました。>>こちら

m@p standard
  • 初回お届け作品参考画像|《右手と左手のドローイング》210×297㎜(A4)、顔料・ケント紙、練りこみテンペラ

  • 初回お届け作品参考画像|《右手と左手のドローイング》210×297㎜(A4)、顔料・ケント紙、練りこみテンペラ

  • 初回お届け作品参考画像|《右手と左手のドローイング》210×297㎜(A4)、顔料・ケント紙、練りこみテンペラ

  • 初回お届け作品参考画像|《右手と左手のドローイング》210×297㎜(A4)、顔料・ケント紙、練りこみテンペラ

  • 初回お届け作品参考画像|《右手と左手のドローイング》210×297㎜(A4)、顔料・ケント紙、練りこみテンペラ

異なる色を付けた右手と左手を紙の上で手を合わせてみる。すると2色の絵具は顔料の粒子はそのままに互いに入り込み、交わる。2018年から薬師川が取り組む《右手と左手のドローイング》シリーズを展開させる。[m@p]では、片方の手につける色を購入者から聞き取り、薬師川がそれに合う色を選択して作品を制作する。《右手と左手のドローイング》は「あなたとのドローイング」として届けられる。


 

ロット:5

販売価格:¥55,000(税・送料込み)


〝あなたの好きな色を教えてください〟

 

初回の作品と共にハガキを同封させて頂きます。 そのハガキにあなたの好きな色を記入してもらい、薬師川に返送していただきます。

 

好きな色をできる限り詳しく記入していただき、(「青」など色名だけではなく、「真夏の晴天の空の青」などどのようなイメージの色かを具体的に)私がその色を作り、そしてその色に合うもう一色を私自身が選択した『右手と左手のドローイング』を制作させて頂きます。

 

─右手と左手シリーズコンセプト─
右手と左手に異なる色を付け、画面上で手を合わせる。
古典技法である練り込みテンペラと、粗い粒子の顔料を使うことで、二色の交わる境界線は三色目に変化することなく、互いが互いの粒子へと入り込み、個と個の粒子が共存する中で、混じり合う。

 

 

 

■初回封入内容

・《右手と左手のドローイング》(額なし) 1点

 210×297㎜(A4) / 顔料・ケント紙 / 練りこみテンペラ

 

・好きな色についてのアンケートハガキ

 

■2回目封入内容

・初回の回答を取り入れた《右手と左手のドローイング》1点 

・好きな色についてのアンケートハガキ

 

■3回目封入内容

・2回目の回答を取り入れた《右手と左手のドローイング》1点 

・好きな色についてのアンケートハガキ

 

■4回目封入内容

・3回目の回答を取り入れた《右手と左手のドローイング》1点 

 

 

 

m@p premium
  • 《右手と左手の絵画》 750×910㎜ 顔料、シナベニヤ 練り込みテンペラ

  • 《右手と左手のドローイング》 272×394㎜ 顔料、ケント紙 練り込みテンペラ 撮影:麥生田兵吾

「あなたの好きな色と、好きな時間を教えてください」。スタンダードでは「色」に限定していたリサーチを、ここではおもに「時間」を含めたものとして、《右手と左手のドローイング》シリーズを展開させる。また、購入者へのリサーチは段階を追うごとに抽象的なものとなり、それらは制作される作品に反映されていく。やりとりの回を重ねるごとに変化する作家と購入者の関係性が回を追うごとに入り込み、交わる作品を提案する。

 

ロット:1

販売価格:¥220,000(税・送料込み)

 

〝あなたの好きな色と、好きな時間を教えてください〟

 

初回の作品と共にハガキを同封させて頂きます。 そのハガキにあなたの好きな色、好きな時間を記入し、薬師川に返送していただきます。

 

好きな色をできる限り詳しく記入していただき、(「青」など色名だけではなく、「真夏の晴天の空の青」などどのようなイメージの色かを具体的に)また、生活の中での好きな時間(家族とのんびり過ごす時間、美味しいご飯を食べている時間など)も教えてください。 初回は私自身の選択した色の右手と左手のドローイング(額付き)とアンケートハガキを送らせて頂きます。

 

2、3回目にはアンケートにて答えていただいたあなたの好きな色を私が作り、そしてその色に合うもう一色を私自身が選択した『右手と左手のドローイング』を制作します。それと同時にとある質問について答えて頂きます。(質問内容は秘密)

 

4回目には、初回で答えていただいたあなたの好きな時間と、2、3回目の質問をもとに、あなた自身をイメージした色合いの『右手と左手の絵画』を制作させて頂きます。

 

 

■初回お届け内容

・《右手と左手のドローイング》1点 

 額装サイズ:507×659 ㎜/ 顔料・ケントボード/ 練りこみテンペラ

 

・アンケートハガキ

 

■2回目お届け内容

・初回の回答をもとにして制作する《右手と左手のドローイング》1点 

・アンケートハガキ

 

■3回目お届け内容

・2回目の回答をもとにして制作する《右手と左手のドローイング》1点 

・アンケートハガキ

 

■4回目

・アンケート初回〜3回目の回答から、あなた自身をイメージした色合いで制作する『右手と左手の絵画』 1点

 サイズ未定  顔料・シナベニアパネル/ 練りこみテンペラ


作家情報

薬師川千晴|Yakushigawa Chiharu

紙に一つの点を描いてみる。
そしてその隣にもう一つの点を描く。
すると二つの点には色の濃さや大きさの“差異”が生まれ、
同時に2つの点の間にある空間は、お互いへの“距離”となる。
 
私はこの、点と点、個と個、あちらとこちらから成る“一対”の関係性に魅力を感じている。
 
天と地、自己と他者、有と無、二極があることで対の関係は成り立ち、 
そしてそれは互いに必要とし合い、求め合うのだろう。

 

http://yakushigawa.tumblr.com

 

作家略歴

 

2011年 京都精華大学 芸術学部 造形学科 洋画コース卒業
2013年 京都精華大学 大学院芸術研究科博士前期課程 芸術専攻卒業

個展

2019年 「Yakushigawa Chiharu solo Exhibition」〔京阪百貨店守口ナナイロフロールナナイロギャラリー / 大阪〕
2018年 「Yakushigawa Chiharu solo Exhibition」〔画廊くにまつ青山 / 東京〕
「Yakushigawa Chiharu solo Exhibition」〔京都精華大学7-23ギャラリー / 京都〕
「右手と左手のドローイング」〔京都信用金庫本店ロビー / 京都〕
「RAUM KOMP うごく空間、そこにある音」〔大阪海岸通りギャラリーCASO / 大阪〕
「retrace a pair 一対をなぞる」〔Gallery PARC / 京都〕
2015年 「絵画に捧げる引力」 Gallery PARC(京都)
2014年 「絵画碑」 Gallery PARC(京都)

グループ展

2020年 「ゲシュタルトの祈り」〔2kw Gallery / 滋賀〕
「解体とアプローチ 田中真吾×薬師川千晴 展」〔東近江八日市文化芸術会館 / 滋賀〕
2018年 「散光 / サーキュレーション」〔滋賀県立近代美術館企画展 / 滋賀〕シガアートスポットプロジェクトvol.1選抜
2015年 「ハイパートニックエイジ」〔京都芸術センター / 京都〕
「KYOTO CURRENT2015」〔京都市美術館別館 / 京都〕
2014年 Kyoto Current 2014(京都市美術館)
2013年 科学のあとに詩をかくこと(ギャラリー16/京都)
2012年 主張展(ギャラリーアーティスロング/京都)
懐(常懐荘 旧竹内邸/愛知)
視域(京都精華大学 7-23ギャラリー/京都)
2011年 Leave Color -視覚と知覚-(ギャラリーフロール/京都)
2010年 京展(京都市美術館/京都)

受賞

2019年 滋賀県次世代文化賞受賞
2010年 「京展」 芝田記念賞

展覧会評

2015年 『「引力」に捧げられた絵画』武本彩子(京都芸術センターアートコーディネーター)
2014年 『 碑文 - 絵画碑に寄せて 』 平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員)
 
作品画像
作品画像
作品画像
作品画像

個展「retrace a pair 一対をなぞる」展示風景

〔2018, Gallery PARC〕

作品画像

《好一対の絵 トリスタンとイゾルデ#1》
2020
油絵具、アルミ複合版 
233×100cm(自立絵画両面写真) 
撮影:前谷開

作品画像

《好一対の絵 knock#1》
2020
顔料、練りこみテンペラ、アルミ複合版
233×100cm(自立絵画片面写真) 
撮影:麥生田兵吾

作品画像

《右手と左手の絵画#4》
2018
顔料、練り込みテンペラ、シナベニヤ
75×91cm

 

作品画像《右手と左手の絵画#3》
2018
顔料、練り込みテンペラ、シナベニヤ
75×91cm

作品画像

《五連絵画碑》
2017
顔料、土、練り込みテンペラ、ケント紙
210×250cm (可変)
撮影:麥生田兵吾

作品画像

《右手と左手のドローイング》 
「RAUM KOMP うごく空間、そこにある音」 現代音楽とのコラボレーションコンサート会場風景
(2018, 海岸通ギャラリーCASO / 大阪)
撮影:麥生田兵吾

 

 

作家インタビュー

 

─ [m@p]について

パルクがギャラリーを一旦閉じて、これからどうされるのかなと楽しみにしていました。今まではギャラリーにお客さんが行くという構造だったのを反転させて、作品自らがお客さんのもとに届くかたちになるのがすごく面白いなと思いました。
1stをみていて、「私も声かけてもらえたらいいな」と思ってました。ですので、声かかった時は「ぜひ、やりたい」と思いました。

 

 

─ サイズなどの制限について

今までやっていた平面作品でも両手のサイズという起源があるので、それほど変わりはないかなと思いました。A4サイズというのは今までやったことがなかったのですが、それに近いB5サイズだったら試作品を作る時に使っていたので、A4でも十分できそうだなと。

 

 

─ スタンダードについて

初回は私が指定した2色の作品をお送りします。そこに1枚のハガキを同封します。そこには「あなたの好きな色を教えてください」という質問を書いています。色といっても、単純な青や赤、緑といったような色名だけではなく、どのような青か、どのような緑か、例えば新緑の緑なのか、ビビッドな緑なのか、できるだけ事細かに、購入者の方の思い描く色というのをお聞きして、その1色を私自身が顔料を調合してつくります。その1色に私自身が最も合うと思う色をプラスして、混ぜた状態でお届けする。
それが3回続きます。3回好きな色を聞く機会があり、かつ「青」といった単語だけではなく、どのような色かを伺うので、その方のパーソナルな部分が見えてくるのではと想像しています。例えば青が好きな人でも、青系・赤系といってもいいし、青だけで違うイメージのものを3回送ってくださるかもしれないし、なかなかお客さんとそんなに密に関わることってないので、面白そうだし、難しそうでもありますね。色をつくることを2回3回と繰り返す上で、その人自身を想像しながら、もう1色をあわせていくという感じになると思います。
ですので、ハガキもできれば直筆で書いていただきたいなと思っています。その筆跡などもその方を彷彿させるというか、少ない手がかりかもしれないけれど、そこにヒントを見つけていけたらと思っています。

 


─ 作品自体はどのぐらいの日数をかけてつくるんですか?

作品自体は瞬発的にできるので、実際の制作時間としては短いのですが、乾くのに1日かかり、乾いてから若干の色味が変わったりします。それですぐ納得いくものができたらいいのですが、なかなか納得いくものができなかったら何枚か試作するので、それだけの時間がかかります。

 

 

─ 勢いよく、右手・左手と描くんですか?

そうですね。今回は当初、A4サイズは両手がちょうどおさまるからいい具合になるなと思っていたのですが、実際に初回発送の作品を作っている中で、今までは両手の手首の運動を取り入れて描いていたところ、A4だとかなりせせこましくなるということに気づきました。ですので、今までと違って、指を動かすという行為に重きを置きました。描くという行為が強くなっています。片手で5本、両手で10本ある指を動かすので、今までやっていた右手・左手とはやっているかんじが全然違いました。それが面白かったですね。「どこにどの線がきたらいいか」と考えたり、「描く」要素が強くなりました。現れるイメージは一見はそこまで変わらないのですが、よく見ると今までになかった指の動きの筆跡であったり、例えば「ここに線を自ら入れている」というようなところがあります。今までは偶然的なものが多かったのですが、今回の指を動かして描くことに関しては意図したイメージというものが強く出ているように思います。

 

 

─ プレミアムについて

スタンダードと構造は同じなのですが、質問がもうひとつ加わります。色に加え、生活の中での好きな時間を教えていただこうと思っています。私としては、好きな色に近い質問かなと思っています。今、自分が何に魅力を感じるか、何を人生において大切にしているか、ということが見えるのではないかと。購入者の方にも少し自分を掘り下げていただくことになると思います。どんな言葉が返ってくるかで購入者の方に対する印象が変わるので、私も緊張します。

 

 

─ 4回目はそれまでのやりとりから作品をつくるのですね。

そうです。4回目は色の指定はできません。少ないやりとりではあるのですが、その中から購入者の方のことを想像してつくります。右手と左手のシリーズは2色の異なる色が混ざるものですが、市販の絵の具だと2色が混ざった3色目は綺麗な混色になってしまいます。例えば青と赤を混ぜると紫になるように。けれど、古典技法で顔料を自分で練っていると、2色の色は完全に3色目に変化するのではなく、細かな粒子で見た時に、それぞれの色の中に入りこんだ状態で、それぞれがまだある状態で混ざりあいます。そこから、肖像画を描いたりすることもできるのではないかと考えているんです。多くの人が二面性を持っていて、単純に言えば優しい面もあるけれど自分に厳しい面もあるとか、そういう表に出ている部分と見えない部分があると思うんです。それを色に変換した時にその2色が同時に存在するというのが、その人の肖像画にマッチするのではと思っていて、4回目の作品では、私が少ないヒントの中から想像してその人自身を抽象的に描くことを考えています。

 

 

─ 今回やりとりが生じるプランを考えたのは?

[m@p]の枠組みを生かしたプランにしたいなと思ったので。小品を送るシンプルなプランも考えたんですが、作品が出向くというコンセプトや4回送るというシステムがあって、お客様と何度かメッセージを送りあうことができるのだからそれを活用たいなと。
それと、一度親しい友人に作品をプレゼントする機会があり、今回と同じように好きな色を聞いたりして作品をつくったのですが、私だったら使わない色が結構あったので、今回を経て、私自身の色彩の幅が増えたらいいなと思います。

 

 

─ 他の作家で気になる人は?

ドローイングを持っているからなのですが、山添さんですね。やはり好きな作家さんのプランは気になります。

 

 

空白