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Exhibition info

野田 凉美

Noda Suzumi

供養

2024.2.1. ~ 2.25
水・木休廊 但し2月1日[木]は開廊

Statement

供養

私は、消耗品、ラベル、不要品など身近で手に入れやすい素材を使う。
街に住み、現代を生きる私にとってそれは合理的で自然なことだ。日常のありふれたものから、人は何を失い、何を欲しているのか、大切なことは何かが見えてくる。かつて西陣織に欠かせなかった紋紙は、デジタルデータへと移行し、金銀平箔は、分業の職人技から無駄のない工程のプロダクト製品へと変わり、物質性の低い情報社会となりつつある。また、大量の薬のパッケージは脅迫的健康長寿社会を象徴しているかのようだ。

編み技法は、穴で構成されているので柔軟性に富み、解いて再使用できるので、モノを増やしたくない私にとって好都合の技法と言える。しかし、出来上がったモノはいずれゴミと化すなら恐ろしいディレンマを含んでいる。
つくることをやめられない私は、せめて先人を敬い供養する慎みを忘れずにいたい。

一本の糸から穴をつくり続けていく単調な行為は、私にとって現生の欲や呪縛から逃れ、自由に浮游するための時間だ。
どんな時にも穴をつくれば風通しが良くなり、柔らかで澄んだ思考と精神が得られる。また、穴をつくることは、付け入る隙を与えるということであり、それはちょっとした綻びのような魅力がある。

 

野田 凉美

About

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2024年2月1日[木]から2月25日まで、野田凉美による個展「供養」を開催いたします。

野田 凉美(のだ すずみ)は、1980年代より現在まで、おもにデザインやアートの領域での制作・発表活動を続けるアーティストであり、2006年より川島テキスタイルスクールのディレクター(現在はアドバイザー)、2012年より京都造形芸術大学特任教授(17年まで)、2017年より京都市立芸術大学特任教授(~22年まで)を務めるなど、後進の指導においても大きな役割を担ってきました。
本展は「供養」をテーマに、現在まで国内外において精力的に活動を続ける野田凉美の新作・近作およそ20点あまりにより、現在の野田の仕事やその眼差しの先を窺い知る機会となるものです。

なお、野田は同時期にギャラリー・パルクと同会場にあるNEUTRAL『Contemporary Textile Art MINIATURE WORKS -THE KYOTO- vol.3』(2月3日まで)や、京都国立近代美術館で開催されている『小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ』(3月10日まで)にも作品を出品しております。こちらもあわせてご覧いただければ幸いです。

Works

CV

Major Teaching Positions

2006-2017 川島テキスタイルスクール ディレクター
2017-現在 川島テキスタイルスクール アドバイザー
2012-2017 京都造形芸術大学 特任教授
2017-2022 京都市立芸術大学 特任教授

 

Selected Solo Exhibition

1989-2022 ギャラリーギャラリー / 京都(20回)
1986-2019 ギャラリーマロニエ / 京都(9回)
2015 Fiberspace / ストックホルム, スウェーデン

2012 Ilaria Nistri Showroom & DAAD Dantone / ミラノ, イタリア

 

Selected Group Exhibition

2024
「小林正和とその時代」(京都国立近代美術館)

 

2020-21
「Fabric : Touch & Identity」(コンプトンバーニーギャラリー / イギリス)

 

2019
「第3回ファイバーアートトリエンナーレ」(浙江美術館 / 中国)
「日本とリトアニアの現代テキスタイル展」(国立MKチュルリョーニス美術館 / リトアニア)

 

2015-16
「Kawaii 展」(UCAギャラリー、*2016年:ラグビー美術館巡回 / イギリス)

 

2011-12
「Lost In Lace 展」(バーミンガム美術館 / イギリス)

 

2010
「第13回国際タペストリートリエンナーレ」(ウッジテキスタイル美術館 / ポーランド )

 

2010-11
「織る 編む ひろがる テキスタイルの形と色」(岡山県立美術館 )

 

2006-7
「(Ex)changing Tradition日豪交流展」
(*2007:Southern Project Studio / メルビル, 西オーストラリア 、*2006:京都芸術センター)

 

2006
「ミラノサローネサテリテ」(ミラノ, イタリア)

 

2005
「カウナスアートビエンナーレ"テキスタイル 05"」(リトアニア)
「第5回国際タペストリー&テキスタイルアートトリエンナーレ」(ベルギー)

 

2004
「ミニアテキスタイル」(コモ, イタリア)

 

2003
「日本ブルガリア交流展」(国立美術館 ソフィア, ブルガリア)

 

2002
「構成された布切れ展」(神戸ファッション美術館)

 

2001
「Contemporary Lace Exhibition」(クラフトウェストギャラリー, 西オーストラリア)

 

1999
「キリンコンテンポラリーアワード OB5人展」(キリンプラザ大阪 / 大阪)

 

1997
「国際テキスタイルコンペティション」(京都文化博物館) <芸術賞受賞>

 

1996
「キリンコンテンポラリーアワードフェスティバル」(キリンプラザ大阪 / 大阪)

 

1990
「キリンコンテンポラリーアワード」(キリンプラザ大阪 / 大阪)


Residence

2006 カーティン大学 / 西オーストラリア
2001 メルビル市 / 西オーストラリア


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