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Exhibition info

ふるさかはるか

Furusaka Haruka

ことづての声/ソマの舟

The Voice of Lore / Soma's Boat

2023.11.4. ~ 11.25.
水・木は休廊。11月23日[木・祝]は開廊。11月18日[土]は関連イベント開催につき18時まで。

Statement

南津軽で始まった山の手仕事の取材が、6年の歳月を経て本になった。山の命と直接関わるマタギ(猟師)やソマ(木こり)や漆掻き(樹液を採集する人)は、冬の厳しい北国で動植物からどんなサインを読み取り、どう自然とやりとりするのか。山のことばに導かれ、取材地をたずね歩いて記録した。 そうたずね歩くうち、藍と漆とヒバと土とが私の手元に託された。山のことばと素材に呼応し、私も彼らの手振りをまねび木版画を作りたい。ヒバの香を嗅ぎ、藍の葉が青に変わるのを見、漆にかぶれるのを肌で覚えながら、山の命と関わる手段を引き寄せるために。

 

ふるさかはるか

About

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2023年11月4日から25日まで、木版画家・ふるさかはるかの個展「ことづての声 / ソマの舟」を開催いたします。
ふるさかは1999年武蔵野美術大学油絵学科卒業後、2002年よりフィンランド、ノルウェーなどでのレジデンス・発表をはじめ、様々な土地を訪れるなかでその地の暮らしや風土を知り、そこを端緒に木版画を制作しています。木や土など、その土地の自然素材を得て制作するふるさかの木版画は、そのプロセスにおいて素材から自然や暮らしを「汲み取る」行為であるといえ、「自然と共に生きる人びとのことばや手仕事」を眼差し、自身の手仕事(版画制作)や他者の手仕事を通じて「人が自然から何を読み取り、協調しているのか」について知り・確かめる行為として、取材から木版画制作の一連に取り組んでいます。
2017年よりふるさかは、津軽・南部地方で山の人びととその手仕事を取材し、何気ないことばを聞き取りながら、彼らの「山の命との向き合い方」に眼差しを向けてきました。ふるさかは彼らが自然とどのように向き合い、そこから何を読み取り、それが手仕事にどのように表れ、人と自然の関係性への洞察がことばにどのように表れているのかについて、彼らのことばと手仕事を自らの手で理解しようと、土を拾い藍を育てて絵具を作り、木片の形に導かれながら自然の色・形・摂理と呼応するように版木を彫り、作品をつくってきました。
その成果の一部は2022年に開催したギャラリー・パルクでの個展「積層の器 ことづての声」において発表されましたが、そこからさらなる取材や制作を経て、2023年11月に作品集『ことづての声 / ソマの舟』として出版されることとなり、本展はこの出版に合わせて、作品集に所収された木版画やドローイングの原画作品をはじめ、取材先で撮影したピンホールカメラによる写真作品や資料などを展示するとともに、完成した書籍をご覧いただけます。
本展「ことづての声 / ソマの舟」は、「自然と人間との関わり」を考える上で、そこに暮らす人々の「ことば・手仕事」をその接点として眼差したふるさかが、自らも「ことばを紡ぎ・手を動かす」ことでそこに理解を超えた「共感」を得て制作した作品と書籍によって構成されます。鑑賞者はふるさかが触れてきたことばや手仕事だけでなく、ふるさか自身のことばや手仕事に触れる中で、ここに新たな「共感」を体験いただけるのではないでしょうか。
なお会期中の11月18日には「座談会」として、作品集の編集者・丹治史彦さん(信陽堂)をお迎えし、作品集の制作や取材にまつわるお話しを伺います。

 

また作品集『ことづての声 / ソマの舟』は本展会場だけでなく、ギャラリー・パルクのオンラインストアからも購入いただけます。

 

作品集『ことづての声 / ソマの舟』はオンラインストア[parcstore]で取り扱っております。>ONLINE STORE

作家情報について詳細はこちらよりご覧ください。 >Artist info

 


[ 協  力 ]信陽堂  


Event

座談会

『ことづての声/ソマの舟』の編集者・丹治史彦さん(信陽堂)をお迎えし、作品集制作にまつわるお話から、取材地の山の手仕事についてお話しします。マタギ薬「鳥っこ止まらず」のお茶を飲みながら、山の命と直接関わる人びとの言葉に触れてみましょう。

■ 日  時:11月18 日[土] 18:00 ─
■ 参加費:1000円

■ 定員25名(予約優先)

Works

CV

Biography
1976
大阪府生まれ

1999
武蔵野美術大学 造形学部油絵学科卒業

2010~
木版画アトリエ空中山荘 主宰


Selected Exhibition

2022
個展「積層の器 ことづての声 / A Vessel in Layers - The Voice of Lore」(Gallery PARC / 京都)

 

2020
「The future is in nature」 (ルオムの森 / 群馬)

2017
「土のことづて」(国際芸術センター青森 / 青森)

2015
「Due North/Snow」(C. R. Ettinger Studio / アメリカ)

2014
個展「トナカイ山のドゥオッジ」(ギャラリーパルク / 京都)
第2回国際木版画会議 「Group Projects "The Contents"」(東京藝術大学 / 東京)

2013
eno-co-labo vol.1「木版風景:木はわたしの鏡」(大阪府立江之子島文化芸術創造センター / 大阪)

2012
個展「Twinkles on Mountains」(Cafe by the Ruins / フィリピン)

2009
国際版画会議 IMPACT 6「Surimono / international」 (University of the West England / イギリス)

2007
個展「USM International Print Exhibition」(Universiti Sains Malaysia / マレーシア)
国際版画会議 IMPACT 5 「A Time and a Place」(Deco Gallery / エストニア)

2004
個展「FROZEN BUSH」(ギャラリーなつかb.p / 東京)

2002
個展「Freezer」(ヴァーサ市立図書館」 / フィンランド)

Workshop and Lecture
2017
国際芸術センター青森(青森)

2016
兵庫県立美術館(兵庫)

2015
滋賀県立近代美術館(滋賀)

2014
Hapao Elementary School, Baguio City High School(フィリピン)

2013
滋賀県立近代美術館(滋賀)

2012
江之子島文化芸術創造センター(大阪)
Lagan Elementary School, Namatec High School(フィリピン)

2007
University of South Carolina, Columbia Museum of Art(アメリカ)

2004
Mason Gross School of the Arts, Moore College of Art & Design, Philadelphia University, the University of the Arts, Tyler School of Art(アメリカ)

Residence
2017
国際芸術センター青森(青森)

2007
アーティスト・イン・レジデンス・アット・伊賀2007(三重)

2003,2005,2011
Art center in Máze, (ノルウェー)

2002
Ateljé Stundars(フィンランド)

Collection

Svenska Österbottens Förbund(フィンランド)
University Sains Malaysia(マレーシア)