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Comparisons
友枝望

2018.1.5. ~ 1.28.

Exhibition View

10 images

Statement

比較・対比による「相対関係」を探る
上記を起点とし下記の表現手法を模索する

 

1. 反復
2. ノーリングの手法と類型学の融合
3. まとまりのある構造のなかでゲシュタルト崩壊による個々の固有性を認識させる

 

このことにより、素材や行為が作品として昇華されていく過程での物質性や身体性とともに、社会性や場所性を瞬時にとらえる「美術思考」を感覚的に鍛えあげる。その「もの」や「こと」の本来の意味や役割を再考し、それら差異により知覚と想像力をかき立てる起因を与えること。


友枝 望

About

 友枝望(ともえだ・のぞみ/1977年・大阪生まれ)は、広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程単位取得修了後、2009~2010年にハンブルグ美術大学彫刻科、及び、時間ベースメディア科に在学。在住の広島を中心に活動しながら、2013年には個展「CLUSTER」(大阪府立江之子島創造文化芸術センター・大阪)、2015年に個展「アートいちはら2015春Alignment - 友枝望」(アートハウスあそうばらの谷・千葉)、2016年には「8th resident artist」(SEOULART SPACE GEUMCHEON・韓国)、「Watten Tide - Contemporary art project in kulturregion Vadehavet」(BLåvandshuk・デンマーク)などでの展覧会参加などの活動を展開させています。

 

 友枝は『比較・対比による「相対関係」を起点とした表現手法を模索する』として、これまで様々なアプローチによる作品制作に取り組みます。友枝は「反復」「ノーリング(ブリコラージュアーティスト/彫刻家のトム・サックスが提起した分類・配置メソッド)の手法と類型学の融合」「まとまりの構造から全体性を消失させることで、個々の固有性の顕在化させる」という表現手法により、『素材や行為が作品として昇華されていく過程での物質性や身体性とともに、社会性や場所性を瞬時にとらえる「美術思考」を感覚的に鍛えあげる。その「もの」や「こと」の本来の意味や役割を再考し、それら差異により知覚と想像力をかき立てる起因を与えること。』を目論見ます。また、その素材に既製品を多く用いる友枝は、私たちの日常において多くの「もの」がつくられた(デザインされた)固定概念から意味づけられていること、あるいはその「同じ / 特別」をつくりだす資本主義的な価値付けの仕組みをシニカルに顕在化させます。

 

 地域から収集された異素材を整列・配置することで個々を知覚化させる「Alighment」、「同じ」であるはずの既製品を対にすることで個々の差異を視覚化する「Double」、同素材の物質を一つのルールにしたがって分類し並べる「Sequence」のシリーズなどの国内未発表作品に加え、新作を組み込んで構成される本展では、「同じもの(同種の物質・素材)」を大量に集積する、あるいは対とすることでそこに相対関係をつくりだし、「もの」や「こと」、あるいは「場」の在り方が鑑賞者の中で解体・再構築される体験を提示します。