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森岡 真央
Morioka Mao

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Works

Statement

 目の前の対象と描かれたものが同ーのものであったとしても、表現の仕方によっては、元の対象 との間にー種の「ずれ」が生じる。「ずれ」というの は、作品の中に存在する。元の対象を思わせる部分と、そこからの差異を感じさせる部分のことである。例えば、抽象化された対象と現実のずれや、異素材のものが組み合わさった材質感のずれ、近寄った時と離れて見た時の印象のずれ、など。
 2017年より始めた本シリーズでは、作品化する上で、そういった感覚の「ずれ」を狙っている。ドロ一イングで描き出された線とそこから想起した 面のイメージを元に制作している。描き出される線は、対象の輪郭や要素となるものを抜き出したもので、「対象との同ー性と差異」の部分にあたる。現在、構成における3つのアプローチから作品を展開している。一つは線のみで構成される作品、 もうーつは線と面で構成される作品、最後に同じ対象の異なるドロ一イングを頂ね合わせた作品である。どの作品においてもコンセプト、制作工程は変わらず、画面構成の部分へのニュアンスの違いでシリーズの中での変化をつけている。
 作品化の工程としては、ドロ一イングしたものを スキャニングし、PC上で線の部分だけを抜き出すなどの手順を踏んでいる。工程を挟むことによって線や形に必然性が生まれてくると同時に、地と図の関係がはっきりと分かれ、初めのドロ一イングの頃よりもエッジが強くなる。そして整理された線や面のイメージに岩絵の具や胡粉で盛り上げるといった彩色を施している。盛り上げることによって、離れて見た時の平面的な印象から、近寄った時の画材の物質感にギャップを感じさせる。この両者のバランスを考えながら整理した線に様々な感覚の差界を盛り込むことで、画面の中にリズムが感じられる作品を目指している。
また、私が日本画材料を使う理由として、日本画で扱われる画材は個々の質感というものが他の描画材に比べて違いがあるように感じている。 岩絵具と墨を比べてみても分かるように、岩絵具は粒子で墨は液体である。その上岩絵具に関しては、同じ色の絵の具であったとしても、番手(荒さ)を変えることによって質感や色味が変わり、重ねれば重ねるほど物質感を帯びる。それらが線の中の一部に扱うことで、線に物質としての厚みが出来、先にも述べた、視覚的、触覚的な差異と画面の中にリズムを感じさせる部分となっている。そしてこれら全てが感覚の「ずれ」として新たなイメージを生み出す要素となることを期待している。

CV

Selected Exhibition

2019
個展「 Is there LOVE in the air?」(oギャラリーeyes / 大阪)
「Kyoto Art for Tomorrow2019 京都府新鋭選抜展」(京都文化博物館 / 京都)
「群馬青年ビエンナーレ2019」(群馬県立近代美術館 / 群馬)
「阪急アートフェア-NEO SEED-展」(阪急梅田百貨店 / 大阪)

 

2018
個展(oギャラリーeyes / 大阪)
個展「MAMA!KIITECHOUDAI」(Gallery PARC / 京都)
「アートアワードトーキョー丸の内2018」(行幸地下ギャラリー / 東京)


2017
「トゥールビヨン15」(oギャラリーeyes / 大阪)
「京都学生アートオークション」(京都芸術センター / 京都)

Awards

2019
NHK京都放送局賞(Kyoto Art for Tomorrow2019京都府新鋭選抜展)

 

2018
嵯峨美術大学制作展卒業生特別賞