m@p Artist

むらた ちひろ

Murata Chihiro

作家インタビューを掲載しました。>>こちら

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染織の「染まる現象/染める行為」に内包される「時間」や「曖昧さ」に興味を寄せ、そこに見つけた気づきを染織のみならず写真や映像をも用いた作品により展開させるむらたちひろ。m@pではむらたがアトリエで取り組む試行錯誤や実験のサンプリングを都度にお送りするなかで、染織や作品への理解を深めるとともに、作家が「いま何を眼差し、そこから何を求めて手を伸ばすのか」について共有していただける機会ともなります。これからの一年に渡り、まるで作家のアトリエに訪れ、その目と手の動きを追うような体験をお届けします。



 

ロット:3

販売価格:¥50,000(税別・送料込み)

 

私は染織の「染まる現象/染める行為」に内包される「時間」や「曖昧さ」に対峙することで制作を進めてきました。

染液が広がる、繊維に浸透する、そのうつろいがどのような軌跡を描くのか。その様相に現実の世界が重なって見えるという体験が、制作の原動力になっています。 世界が急激に変化する最中、制作の手は一旦止まってしまいましたが、再び動き始めました。

 

「m@p:スタンダード」は、今とこれから取り組む制作の過程を、購入者の方と共有する機会にしたいと考えています。 些細な気づきが、新しい景色を生み出していく。その兆しが感じられるものにしたいと思っています。約一年間、お付き合いいただけるとうれしいです。

 

初回は、綿布で折った「舟」を染液に浸けることで、舟底から色が吸い上がっていく過程を写真・映像に収めている制作から、染まった「舟」の“標本カード”約10種をお送りします。2回目以降はどのような形でお届けするか未定ですが、何に引っかかり、何を求めて取り組んでいるのかお伝えする手紙を各回同封します。 また初回に、4回分を収納するケースをお送りします。

 

■初回封入内容:“標本カード”10種程度+収納ケース

カード: 19.7×26cm

収納ケース:麻布・染色 / 29.5×23cm ※開いた状態29.5×105cm

m@p premium
  • 参考作品《thickness of times》

  • 参考作品

  • 参考作品

ロット:1

販売価格:¥300,000(税別・送料込み)

初回~3回目:サンプルピースとそれに関係するシリーズから小作品1点ずつ
4回目:ご希望の作品シリーズから1点制作。

3回目のお届け後、ご希望があれば4回目にお送りする作品シリーズをお伝えください。

作家情報

むらた ちひろ|Murata Chihiro

染織の「染まる現象 / 染める行為」によって広がる色は、支持体の内・外、 表・裏といったレイヤーを横断的に、または一体のものとして渉ることができる。
そこに内包される「時間」や「曖昧さ」を通して、隔たれながらも分かつことのできない世界 −「過去/現在」・「自己 / 他者」・「内(精神)/外(社会)」−の揺らぎを、うつし描くことができると考えている。

 

https://murata-chihiro.tumblr.com


作家略歴

 

1986年 京都生まれ
2011年 京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻修士課程修了

個展

2018年 Internal works / 境界の渉り(Gallery PARC / 京都)
2018年 Internal works / 満ちひきは絶え間なく( ギャラリー恵風 / 京都)
2017年 Internal works / 水面にしみる舟底( ギャラリー揺 / 京都)
2014年 時を泳ぐ人( Gallery PARC / 京都)
2012年 水たまりアルバム( Gallery Ort Project / 京都)

グループ展

2020年 写真と染のまじわるところ( 染・清流館 / 京都)
2019年 京都府新鋭選抜展( 京都府京都文化博物館 / 京都)同’16
染・清流展( 染・清流館 / 京都)同’13’,15,’17
2018年 藤原隆男 京都市立芸術大学退任記念展「ほしをみるひと」
(京都市立芸術大学Gallery @KCUA )
PHO-TEX( GALLERY GALLERY / 京都)
2017年 未来の途中プロジェクト その後の、未来の途中 (京都工芸繊維大学美術工芸資料館)
未来の途中プロジェクト 未来の途中の、途中の部分 (京都市立芸術大学Gallery @KCUA)
2016年 未来の途中のリズム(京都工芸繊維大学美術工芸資料館)
ARTIST WORKSHOP@KCUA 成果発表展 ネリー・ソニエ「FEATHER」
(京都市立芸術大学Gallery @KCUA )
琳派400年記念 新鋭選抜展 -琳派FOREVER- (京都府京都文化博物館)
新鋭染色作家選抜12人展 -染めに拓く-(染・清流館 京都)
2015年 第20回 染・清流展(染・清流館)
Contemporary NOREN(京都芸術センター)
2014年 THE GIFT BOXアーティストが提案する特別なギフト。(京都府京都文化博物館 別館ホール)
Kyoto Current 2014(京都市美術館別館)
2013年 染+ -わたしにまつわるそめのはなし-(染・清流館)
第19回 染・清流展(染・清流館)

受賞

2011年 京都市立芸術大学制作展, 奨励賞
2009年 京都市立芸術大学制作展, 同窓会賞
 
個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景
個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景
個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景

個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景
個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景

個展「Internal works / 境界の渉り」展示風景

2018年

撮影:麥生田兵吾

個展「時を泳ぐ人」展示風景
個展「時を泳ぐ人」展示風景
個展「時を泳ぐ人」展示風景
個展「時を泳ぐ人」展示風景

個展「時を泳ぐ人」展示風景

2014年

撮影:草木貴照

 

 

作家インタビュー

 

─[m@p]のプランを考えるにあたり考えたことは?

何を目的にするのかというのを定めるのが迷ったところはありました。コロナによる状況が変わっていく中で、手が動かないという時期もありました。展覧会のためだけに作品をつくっているわけではないですが、やっぱり展示して、こういう空間でこう見て欲しい、こういう視点に立ってもらえるだろうかということを考えていたので、単純に出口が止められたら止まったしまったという感覚があったんです。
ただ、封入しているものは無理やり手を動かしたわけではなく、いろいろ考えているうちに自然に手が動き出したもので、[m@p]に取り組むことが何かを進めるきっかけになっていると思います。また社会や状況により手が止まったりすることもあるかもしれませんが、その時々で考え、自然に出せばいいかなと思っています。

 

 

─ 実際の封入物は?

スタンダードでは普段作品になる前の「これなんだろう?」と思っているものを一緒に体験していただけるようなものをお送りしようと思いました。
普段の制作の中では、布を染めて実験したりとか染めながら考えることが多いので、例えば実験した布のハギレを送るということも考えたのですが、届けた物だけ見て伝わるものにしようと考え直しました。ただ、試作そのものは手放せないので、共有できるかたちを探してお送りしようと思っています。
初回にお送りするものは、5月に取り組んだ作品 《 planet 04C 0200 ’18, 2.18 AM9.45 2.19 AM9.21 》の延長として制作しました。布の舟がだんだん染まっていく様子を撮影した数分の映像にまとた作品なのですが、染まった舟を「標本カード」というかたちにして10種ほどお送りします。また、4回にわたってお送りするものを収める「収納ケース」をお送りします。収納ケースも染色したもので、普段の仕事、作品の一部として考えています。開いた状態で全長1mほどになります。1m幅の布をそのまま使っています。
「テストピース」ではなく「標本カード」としているのは、「テストピース」だと何か目標にするものがあって、それに向けたテストのようになってしまうけれど、私の場合はそれとは違うと思ったからです。布を折ってつくった舟が、舟底からだんだん染まっていく作品のテストといえばテストだけど、それをそのまま作品として発表する可能性もあるので、染まった舟を両面からスキャンし、両面印刷したカードにしました。1枚のカードに表面と裏面が対応して見えるようにしています。印刷物ではあるけれど、1枚の紙の中で表と裏から見ることができるものなので、「標本」と名付けています。

 

 

 

─10種ということは10種の舟の作品ということですか。

標本カードのうちの1枚はちょっと別のカットになるかもしれませんが、舟の作品は9種入ります。1つにつき、半日~1日かけて染まっていくのですが、今回お送りするのは、今年(2020年)5月4日から5月29日の間に染まった舟の中から9種を「標本カード」にしました。
残り1種のカードで、染まる過程が想像できるような仕組みを考えています。また、1つの舟に対して、日付と数字が記録されているのですが、それは布の種類と染料の種類を番号で振ったものです。同じ条件でやっているものもいくつかあるのですが、番号からそれを読み解くこともできます。2回目以降は、布の状態で何か見てもらえるような、制作の断片をお送りします。

 


─プレミアムについては?

プレミアムについては、これまでの作品シリーズにまつわる制作の断片的なものと小作品をお送りします。1~3回目は《ひろがるまる》シリーズ、写真を用いた作品シリーズ、去年から取り組んでいるシリーズという3つのシリーズからお送りします。4回目は3つの中で気になるものがあれば、そこから作品をつくることもできます。ご希望をうかがって新しく制作します。もちろん、既存の作品でご希望があればそれでも構いません。あわせて、その作品にまつわるもの、作品になる前のものなど、作品の断片のようなものも送るつもりです。

 

 

─同封される手紙は?

何を考え・思って制作したのかということを書いた手紙です。染まっていく作品は、2年前からやっている作品の延長ではあるんですけれど、こういった時期の日常生活とリンクしながら染まっていくということとか、時間が流れること、時間を過ごすことについて考えた上での制作ではあるので、そういったことも共有できたらと思っています。
初回に送るものは全部、5月頃に家で過ごす時間で制作したものです。今後、色々な場所に行けるようになったら、もしかしたらそれを利用するものになるかもしれないけど、今決められるものではないし、ずっと自宅での制作かもしれません。それでも、できることが増えていたり変わっていたりするかもしれないし、そういったものを自然に出したらいいと思っています。また、そうしたことも作品を制作する、見せるということに緩やかに繋がっているのだなと思っています。なので、どの部分を見せるのかという違いだけで、「ここが面白い」とか「こういうこと感じる」とかを出していく点では、今まで発表していた作品とたぶんあまり変わらないし、割と自然にできるかなと思っています。

 

 

─これから先(未知)の展開については?

[m@p]のプランで、はじめは作品を4回に渡って送るとしたアイデアもあったのですが、私の場合は面白くないなと思って。あるいはハンカチなどの実用的なものを届けるということもできますが、良いもの・サービスが世の中に溢れているので、自分がやらなくてもよいなと。では、そこから私のスタジオを訪問していただくような体験を何かのかたちでお届けすることを考え始め、その方のご自宅で体験していただき、そして一緒に所有してもらうものとして考え直しました。2回目以降、布をお送りすることになるかもしれませんが、何か「所有してもらうかたち」というものを考えて、そのために制作します。テストピースをバラバラ送るなど、生っぽく制作現場をお届けするということよりは、一緒に所有してもらうということを考えて新たに制作するものです。ですので、それはそれで作品ではないかと考えていて、今後もしかしてどこかで展示するということになるかもしれません。ただ、つくる方向が違うというか、展示する前提でつくるものではなくて、誰かの家に届けるものとしてつくっていこうと思います。
そして、その都度、考えていること、制作しているものと一緒に3ヶ月ごとに進んでいけたらいいなと思っています。

 

 

 

 

空白